名も知らぬあの人へ
あの人が食べたら美味しいと思ってくれるかな?
と想像しながら、毎朝ジェラートを作っています。
あの人とは、常連のお客さんであったり、家族であったり、同級生であったり、友達であったり、作るフレーバーによってもまちまちではあるのですが、作っているジェラートがお好きだろうなと思う人が食べているところをイメージしながら作っています。
心を込めて作る
とは、そういう事かと。
いやいや、そんなかっこいいことをお伝えしたい訳じゃございません。
今日作りました男前レモン、そろそろ作ろうと考えていた際に、偶然お客さんからリクエストいただき、当然ながらそのお客さんが食べているところをイメージして作った訳ですが、レモンをそろそろ作らなきゃなと思わせられた『ある出来事』に遭遇し、名も知らぬその方が食べてるところも合わせてイメージしながら作りました。
ある出来事とは。
2、3日程前、倉敷美観地区バス駐車場のトイレ横自販機があるところにて。
閉店後に自販機でお茶を買おうとしていた私の後ろで、こんな会話が聞こえてきました。
主人『ちょっとタバコ吸うわ。』
奥さん『あんた今日何本吸うとん。えーかげんにしねーよ。』
(私、ビックリ振り返る)
奥さん『ほんまじょーだんじゃねぇし。あんたのこずかい減、ら、す、わ。』
奥さんと腕組みした中学生くらいの娘さんがトドメを刺す
『1円にすりゃぁえーがっ』
主人『・・・・・』
主人は見たところ、私と同年代。
ここからは私の妄想
家では奥さんにキリキリ言われ、年頃の娘さんには、『お父さんの洗濯物と一緒に洗わないで』と汚いもののようにあしらわれ、会社では上と下の板挟みになり、たまの休日に家族サービスのつもりが公衆の面前で虐げられる、おまけにこずかいまで減らされようとは。
何たる理不尽。何たる不条理。
無言でタバコを吸っていた名も知らぬご主人。
ご苦労様でございます。
そして、ようこそ倉敷にお越し下さいました。
あの名も知らぬご主人が今日作った『男前レモン』を食べたら何と言われるかなぁ。
人生色々ありますねー。
それでも明日は来るっ!
それでは!